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妊活epi.2 ~それって貧血かも~

駅の階段を上がっただけで息切れする、慢性的な眠気、集中力の低下、気分の落ち込みなど感じていませんか?

女性の場合、個人差はありますが初潮を迎え月経が始まると徐々に体内の鉄分が減り、知らずのうちに貧血になっている方も多いようです。

妊活をする女性にとって、全身に酸素や栄養を運ぶ血液の健康は、赤ちゃんを迎え入れる子宮や、その準備に大切な卵巣の健康にとって基礎となる大事なことです。

症状が深刻になるまで見逃しがちな貧血について知ってもらえたらと思います。

鉄欠乏性貧血

貧血とは赤血球に含まれる血色素(ヘモグロビン)濃度が低下した状態をいいます。もっとも多い貧血の種類は、鉄欠乏性貧血です。

(参考:厚生労働省e- ヘルスネット

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-008.html

全身に酸素を運ぶ働きを担っているのがヘモグロビンです。このヘモグロビンを作る材料として鉄が必要なため、鉄不足に陥るとヘモグロビンが減ってしまいます。その結果、全身に酸素を運ぶ能力が減り酸素不足による症状が現れます。

血液検査のヘモグロビンの値などで貧血を診断しますが、ヘモグロビンの値で診断がつく貧血の他にも、体内に貯蔵している鉄が減っている「隠れ貧血」の場合も。

 

貧血の原因

鉄は、汗・尿・便からわずかに排泄される分だけを毎日の食事から補えばいいのですが、以下のような理由で、体内の鉄の三分の一存在する貯蔵鉄にまで手をつける事態になると鉄欠乏に陥り貧血の症状が顕著に出ます。

 

1.食事から摂る鉄分不足

食生活の乱れによる栄養の偏りや、過度なダイエットなどで目標の摂取量に満たないなどの理由から起こる貧血です。

月経のある成人女性の1日の鉄摂取推奨量は、10.5mg~11.0mgに対し、平成29年の国民健康・栄養調査では女性の平均鉄摂取量が7.2mgと不足している結果がでています。(参考:厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/content/000451759.pdf

2.体が鉄分を多く必要とする状態

体の成長や、授乳などで鉄分をより必要な体の状態がある場合、食事からの鉄の摂取が少ないことが続くと貯蔵鉄を減らすことになります。

 

3.出血

女性の月経やその他出血を伴う腫瘍や疾病がある場合貧血になります。貧血は見えない出血が体内で起こっているサインでもあります。

 

ほうれん草を食べても貧血は治りません!

鉄分を含む食品といえば「ほうれん草」を思い浮かべる方も多いのでは?

ご存知の方も多いかもしれませんが、栄養素としての鉄には2種類あります。

肉、魚、レバーなどに多いヘム鉄と野菜、海藻、大豆に含まれる非ヘム鉄です。

この2つはヘム鉄の方が体内への吸収率がいいという点で異なります。

ヘム鉄の吸収率は食事内容に左右されませんが、非ヘム鉄は一緒に摂る食品が吸収率に大きく影響します。

とは言っても、毎日レバーや赤身肉ばかり大量に食べるわけにもいきませんし、そんなことをすると他の病気が心配ですよね。

 

貧血予防を意識した食事を作るときのポイントは、

● 肉や魚を食べるなら赤身を選ぼう

牛の赤身やかつおやマグロなどに多く含まれます。

● 大豆や野菜などに含まれる非ヘム鉄の吸収を上げるためにビタミンCやたんぱく質と一緒に食べよう

非ヘム鉄の吸収をあげる栄養素は、ビタミンCやたんぱく質。特にたんぱく質は血液の材料ともなるので不足しないよう注意。

● 調理器具を鉄素材のものに変えてみて

鉄瓶でお湯を沸かす、鉄のフライパンで調理するなど、調理器具を鉄に変えれば毎日コツコツ鉄の摂取量を増やせます。例えば南部鉄器では溶出する鉄の80%程度はヘム鉄といわれています。

ただし今流行りの、鋳物ホーローでは鉄分摂取できませんのでご注意を。

 

また、サプリメントで補給する方法もありますが、鉄は体外に出る量がわずかで、過剰分も蓄積されるので過剰摂取による副作用が心配です。日々の食事を工夫するなどしても改善しない場合は医師の元での処方箋薬での治療をおすすめします。

深刻な症状が出るまで見逃しがちな貧血ですが、酸素が満足に行き渡らないということはさまざまな臓器の細胞が十分に働けないということです。

 

卵巣や子宮を健康に、ホルモンの分泌が正常に行われるよう、一度ご自身の貧血チェックしてみることをおすすめします。


栄養士・ライター  林 志保

大学卒業後、栄養士として、健康食品・化粧品の企画開発の職に携わる。

結婚・出産を機に、フリーランスのライターに転身。前職の経験を生かし主に女性の健康や美容に関する情報を発信するコラムを執筆。

最近は特に女性の健康と美しさは食からという考えが強くなり薬膳の勉強中。

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