みなさんはご自身の平熱を把握しているでしょうか?
コロナ禍の中、体温を計る機会が増え、自分の平熱を意識した方も増えたように思います。
女性の中には、平熱は36℃超えているけれど手足だけ冷える「冷え」や、慢性的に平熱36℃未満の「低体温」で悩む方が少なくないようです。
「低体温」だと、免疫細胞が活発に働けず、病原菌やウィルスから体を守る力が弱まります。
また、「低体温」で代謝に欠かせない酵素の働きが鈍ることで代謝が落ち、臓器や細胞などの体の働きが悪くなる原因にもなります。
卵巣や子宮が元気に活動できる環境づくりとして、また、土台となる母体を温かで強いものにするために食事や生活習慣の見直しで体質改善しませんか?
*ここでの「低体温」は、医学的に言われる体の中心部分の温度が35℃以下となる「低体温症」ではなく、慢性的に平熱が低い状態を表現する言葉として使用しています。
目次
平熱と基礎体温
妊活中の女性は基礎体温をつけている方も多いと思います。しかし、基礎体温は、起床直後の活動する前の体温なので、イコール平熱とは言えません。
外気温や1日の活動強度、女性の場合は生理周期によって体温の上下がありますので、1日4回程度を数日計ってみて自分の平熱を知りましょう。生理のある女性の場合は、高温期と低温期にも計ることで、より自分の平均的な体温を知ることができます。
日本人の場合、36℃~37.2℃くらいと言われていますので、一般的に36℃未満になると平熱が平均より低いと考えられます。
なぜ、低体温になるのか?
低体温や冷えの原因として以下のような事が考えられます。
- 筋肉量が少ない
熱エネルギーの代謝は筋肉の中で行われています。そのため、筋肉量が少ないとそれに比例して熱エネルギーを作る能力が低くなり、結果的に体温を平均的な36℃~37.2℃に維持することが難しくなります。
2. 血液の質、めぐりが悪い
血液は熱を全身に行き渡らせる働きを担っています。自律神経や女性ホルモンの乱れ、筋肉量が少ないなどの原因で、体を温める役割である血液循環が末端まで十分に行われていないかもしれません。また、貧血や栄養不足で血液の質が悪いと、細胞への栄養素・酸素の補給や、二酸化炭素・老廃物の回収の血液の働きがスムーズに行われず、熱代謝が効率的に行われていないことが考えられます。
3. 自立神経の乱れ
自律神経は人間の体温調節の役割を担っています。暑いときは血流を活発にして、発汗や尿の排泄で体温を下げ、寒い場合は血流を鈍くして発汗を抑え体温を上げます。
空調設備の発達で慢性的に外気温との差が大きい状態が続くと自立神経が混乱します。その結果、正しい体温調節ができなくなり「低体温」「冷え」などの症状がでます。また、ストレスや生活習慣や女性ホルモンの乱れも自立神経を乱す引き金となります。
*注 ただし、平熱が低い原因が貧血や他の病気が原因の場合もあるので、自己診断せず症状があるようであれば病院で診断を受けるようにしましょう。
「低体温」「冷え」からの脱却
- 筋肉をつけて代謝アップ
筋肉は体温のもととなる熱の代謝を行うだけでなく、全身に血液を巡らせるためのポンプの役割もあります。たっぷりの温かい血液を全身に送ることは体温を上げることにつながります。
運動する習慣がないと、なかなか難しいですが、日常、座るとき立ったり歩いたりしているときの姿勢を少し意識してみてください。
骨盤を立てて姿勢よく座ると腹筋を使っていることに気づくと思います。
また、立っているときは頭頂部が上に引っ張られているイメージで立つ、歩くときは膝から下だけで歩くのではなく、太ももの内側を意識して歩くだけでも自然と体幹が鍛えられます。
2.体を温める食事や飲み物を
筋肉をつける、自律神経を整えるなどの取り組みは一朝一夕では叶わないもの。
今、冷えている体を、食事や飲み物でカバーしてあげることも1つの方法です。
体が冷える冬の間は、食事や飲み物を工夫して体を温め、夏でも冷えすぎた飲み物や食べ物を摂りすぎないなど体を冷さない習慣をつけましょう。
簡単にできる方法として、普段の食事に体を温める食材を使ったスープや汁物をプラスすることをおすすめします。
特に鶏肉と生姜やネギにんにくなどの体を温めてくれる野菜で取った出汁をベースにしたスープは体を温めてくれます。また、鶏肉は筋肉や血液の材料となるたんぱく質やミネラルを豊富に含みますので、たんぱく質不足になりやすい女性にはおすすめです。
栄養士・ライター 林 志保
大学卒業後、栄養士として、健康食品・化粧品の企画開発の職に携わる。
結婚・出産を機に、フリーランスのライターに転身。前職の経験を生かし主に女性の健康や美容に関する情報を発信するコラムを執筆。
最近は特に女性の健康と美しさは食からという考えが強くなり薬膳の勉強中。