記事一覧に戻る

我慢も努力もいらない健康法アロマテラピー ~香りの力でゆらぎ世代の女性を元気に~

公益社団法人日本アロマ環境協会認定

アロマセラピスト・アロマテラピーインストラクター
アロマテラピー&リラクセーション Shinoa(シノア)

出野 倫子 さん


日本人女性が閉経を迎える平均年齢が50歳。

閉経を挟んで前後5年が更年期にあたります。

ホルモンバランスの乱れによる不定愁訴が生じやすいこの年代は、俗に「ゆらぎ世代」とも言われ、ライフステージでも転換期を迎える時期と重なります。

忙しい毎日の中、自分の体のメンテナンスもできないまま「ゆらぎ世代」に突入し、次々と訪れる体の変化にうろたえてしまうことになりかねません。

もちろん、医師に相談しながら治療を進めていくことも必要ですが、ゆらぎ期の体の不調は一筋縄では解決しないものも多いようです。

通院や食生活・生活習慣を変えて改善する場合もありますが、そうでない場合は

「病気ではないし・・・」と我慢続けてしまってる人も多いのでは?


 今回、そのような悩みを抱えている方へアドバイスをいただいたのが、京都御所近くでアロマテラピーサロンShinoa(シノア)を営んでおられる、オーナーでアロマセラピストの出野倫子さんです。

出野さんは過去に心の傷を負ったことをきっかけに、眠れないなどの体調不良に苦しむ日々を過ごされていたそうです。 

その苦しみから救ってくれた精油の不思議な魅力に惹かれ、アロマテラピーの道へ進まれます。

出野さんのサロンShinoa(シノア)では、女性のお客様のさまざまな悩みに合わせた、アロマテラピーを使った施術やレッスンを行っています。

また、女性の悩みを会話から引き出し、寄り添ってくれる出野さんのお人柄も人気のサロンです。


アロマテラピーとは?


現在、「アロマ」という言葉は様々な場面で使われるようになりました。

ここでの「アロマテラピー」とは、植物の持つ香りや様々な力を借りて、心や体のトラブルを穏やかに回復し、健康や美を増進させる自然療法のことを言います。

アロマテラピーで使用するのが、植物から抽出した天然の精油(エッセンシャルオイル)です。



ー アロマテラピーの歴史について教えてください。


アロマテラピーは現代にこそ必要な力


人類は太古の昔から、植物を様々な形で活用してきました。

とりわけ、植物の持つ薬効を取り出したいという思いは切実で、様々な方法が試みられていました。

今から1000年ほど前に、植物の香りや薬効を濃縮して取り出すための精油蒸留法が確立し、その技術は、ヨーロッパに伝わります。

20世紀初頭のフランスで精油の薬理効果が研究され、「アロマテラピー(芳香療法)」という言葉が登場。

以来、今日にいたるまで、アロマテラピーは世界の様々な地域で活用されています。


 近代西洋医学の発展により、私たちの平均寿命は大幅に長くなり、医療の高度化はますます進んでいます。

しかしながら、近代西洋医学だけでは、生活習慣病や心身症など、私たちが長い期間をかけて「作り出してしまう病気」を予防することは容易ではありません。

アロマテラピーなどの自然療法は、こういった病気を予防することに力を発揮します。

超高齢化社会が進む中で、大きな助けになってくれる可能性があるのです。



ー 嗅覚は人間にとってどのような役割がありますか?


嗅覚の不思議


 嗅覚刺激は、五感の中で唯一、脳で感情や本能を司っている「大脳辺縁系」にダイレクトに伝わります。

「大脳辺縁系」に伝わった情報は、直ちに視床下部に伝わり、体温や睡眠、ホルモンの分泌、免疫機能などのバランスを整えます。

この部分は、私たちの生存にとって重要であるため自動コントロールされています。

例えば、「コロナウィルスが流行しているから免疫力を上げたい」と思っても、自分の意思では免疫力を上げることはできませんね。



ホットな嗅覚研究

 
 現代人は、視覚や聴覚からたくさんの情報を得ており、これらの感覚を重視しがちです。

また視覚や聴覚に比べて、嗅覚は再現が難しく、曖昧なものだと捉えられてきました。

そのために、これまではあまり熱心に研究されてきませんでした。


しかし近年、嗅覚低下がアルツハイマー病やパーキンソン病、さらには死亡率にも関わっていることがわかるなど、ヒトにとっての嗅覚の重要性が明らかになってきました。

今、嗅覚研究はホットな研究分野となり、次々に興味深い報告がなされています。


 こうした中、1000年以上の歴史を持つ精油を使った健康法であるアロマテラピーにおいても、科学的な検証が急速に進んでいます。

例えば、2016年、ゼラニウムやローズオットーの精油を嗅ぐと、唾液中のエストロゲンが増えるという研究報告がなされました。

アロマテラピーの長い歴史の中で、これらの精油が更年期障害に効果があると伝えられていましたが、科学の進展によって、その効果が数値として明らかになったのです。

 


ー ゆらぎ世代の女性に香りはどのような助けになってくれますか?


自分を楽にしてあげるお手伝い


「ゆらぎ世代」の悩みはホルモンバランスの影響による心身の変化が主な原因です。

加えて、この年代の女性の多くは、やること、考えることの種類が多く、常に何かに追われているように感じているのではないでしょうか。

この心の忙しさが、心身の不調に拍車をかけているのかもしれません。

アロマテラピーは、ホルモンバランスを整えると同時に、「一息つけるきっかけ」ともなってくれることでしょう。

心地よい香りは、一瞬にして心をシフトし、リラックスやリフレッシュに導く力を持っています。

 

 私たちは、日頃、健康のために、「してはいけないこと」「しなくてはならないこと」を求められがちです。

しかし、アロマテラピーは、「我慢と努力の要らない、快適な健康法」です。

心地よい香りを使って、「自分を楽にしてあげる」手段を知っておくことは、平均余命の長い私たち女性が、健康で美しく年を重ねるための大きな助けになると思うのです。


ー 上手なアロマテラピーの取り入れ方は?

アロマテラピーを日常に取り入れ、楽しむ方法はたくさんあります。

 

アロマテラピートリートメントを受けたり、芳香器(ディフューザー)を使って香りを楽しむ方法や、精油を使ったクリームや石鹸、バスソルトなどのアロマグッズを手作りするのもお勧めです。

でも、特別なものがなくても、ティッシュに1~3滴の精油を垂らして嗅いでみるだけでも効果があります。

気分転換したいときに、熱めのお湯を入れたカップにお好みの精油を垂らして、目を閉じて、立ち昇る蒸気と香りをゆっくりと吸ってみるのいいでしょう。

ただ、間違って飲まないようにしてください。

※精油は、飲用はもちろん、原液を肌に塗ることはできませんので、添付されている注意事項をよく読んで安全に楽しんでください。


アロマテラピーを始める方にお勧めの精油


最後に、これからアロマテラピーを始めようと思っている方におすすめの精油を紹介してくださいました。

■ ラベンダー

優しくハーバルな香り。
ゆったりとリラックスしたいときに。

■ ローズマリー

透明感のあるスッキリとした香り。
リフレッシュしたいとき、やる気の出ないときに。

■ オレンジスイート

フレッシュな柑橘の香り。
気持ちを明るくしたり、元気を出したいときに。

■ ゼラニウム

華やかでフローラルな香り。
心と身体のバランスを取りたいときに。

 

単独ではもちろん、複数の精油をブレンドして、自分だけのオリジナルの香りを楽しむのもおすすめ。

アロマショップがお近くにあれば、ぜひ店頭で様々な香りを試してみてください。


野田ハニー
自然派志向さん達の間で話題のビューティードリンク、ざくろジュースを見てみる

TOP